【全編5話】記憶喪失だった母が、殺人事件の容疑者として逮捕されました

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【5話:予想外の結末と新たな始まり】

母の告白から1週間が過ぎた。

警察の捜査は新たな展開を見せていた。

「高橋さんの居場所が判明しました」

刑事の言葉に、私たちは息を呑んだ。

母と私、そして岸本さんで高橋さんに会いに行く。

15年ぶりの再会。母の手が震えている。

「奥山さん…」高橋さんの声が震えていた。

そこで明かされたのは、誰も予想しなかった真実。

高橋さんは証人保護プログラムの対象者だった。

「僕が見てしまったんです。政財界の大物の汚職を」

母が殺人犯を演じたのは、高橋さんを守るため。

そして高橋さんの「死」は、彼自身を守るためだった。

「もう、隠れる必要はないんです」

高橋さんは説明を続けた。「最近、その政治家が失脚し、証拠も揃いました。15年間、僕は偽名で生活していました。でも今なら…」

高橋さんの告白で、全ての疑惑が晴れた。

母の無実が証明され、本当の犯人も逮捕された。

「奥山さんの記憶喪失は、あの日の出来事を封印するための心の防衛反応だったんですね」と、同席していた心理の専門家が説明した。

帰り道、母が私に告げた。

「美咲、ごめんね。長い間、嘘をついていて」

私は母の手を強く握り返した。

「お母さんは何も悪くないよ。むしろ、誇りに思う」

新たな朝が私たちを包み込む。

失われていた記憶と真実を取り戻し、

私たちの人生は新しいページを開いた。

母は治療を続けながら、少しずつ過去と向き合っている。

高橋さんとの再会も、母の回復を後押ししているようだ。

そして私は、この経験を通じて、真実の重さと家族の絆を改めて感じている。

これからの人生は、きっと簡単ではない。

でも、乗り越えられないことはないはずだ。

私たちの新しい物語は、ここから始まる。

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