【4話:明かされる衝撃の真実】
警察に駆けつけると、母が取り乱していた。
「私が…私が殺したの?」
母の目は涙でいっぱいだった。
刑事が説明してくれる。
「奥山さんの記憶が一部戻ったようです。ストレス性の記憶喪失では、このように突然記憶が戻ることがあるそうです」
でも、断片的な記憶だけでは真相はわからない。
そのとき、岸本さんが駆け込んできた。
「待ってください!これを見てください」
差し出されたのは、古びた手帳だった。
「姉さんの婚約者、高橋さんの遺品です。遺族が最近見つけたものです」
手帳には、驚くべきことが書かれていた。
「奥山さんを守るため、僕が死んだことにする」
高橋さんは生きていた。でも、なぜ?
母の目に、突然の閃きが走る。
「思い出した…あの日、私は…」
母の口から語られる真実に、部屋中が固まった。
「高橋くんを守るために、私が殺人犯を演じたの」
そして明かされる、15年前の事件の真相。
「高橋くんが目撃してしまった政界の大物による汚職…それを隠蔽するために、私たちは標的にされたの」
母は涙を流しながら続けた。「高橋くんの命を守るため、私が殺人犯になることを選んだの。でも証拠不十分で不起訴…その後、私は記憶を封印してしまったみたい」
だが、それは新たな謎の始まりでもあった。高橋さんは今どこにいるのか。そして、真の犯人は誰なのか。
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